ビタミンDとCOVID-19

血中ビタミンD濃度とCOVID-19感染リスクとの間には、密接な関係があることが諸外国で報じられています。本日ご紹介する論文は米国の研究ですが、ビタミンD濃度が低いとCOVID-19感染リスクが、2倍近くに上昇することが述べられています。

この研究は、3月3日から4月10日の期間にCOVID-19感染が疑われた患者、489名について、過去1年以内の血中ビタミンD濃度を遡って調査しています。ビタミンD欠乏の診断は、血液中の25(OH)Dが20ng/ml未満、または1-25(OH)2Dが 18 pg/ml未満の場合としています。

対象の平均年齢は49.2歳、366名(75%)が女性。331名が白人以外の人種でした。ビタミンD欠乏の状態にあったものは、全体の25%にあたる124名でした。さらにPCR検査にて新型コロナウィルスが陽性(陽性群)であったケースは71例(15%)でした。

統計解析の結果、50歳までは加齢に伴い新型コロナウィルスの陽性率が上昇する傾向と、白人以外の人種での陽性率が高い傾向が見られました。

ビタミンD濃度について調べると、ビタミンD欠乏群では、充足している群と比較して、新型コロナウィルス陽性である率が1.7倍増であることがわかりました。さらにCOVID-19感染リスクについてみると、ビタミンD充足群では12.2%であったのに対して、ビタミンD欠乏群では21.6%でした。

COVID-19感染症では、肥満者や黒人での感染の重篤化が指摘されています。肥満者や黒人では、いずれもビタミンD濃度が下がりやすいことが特徴です。今回の研究でも指摘されているように、ビタミンD濃度の低下はCOVID-19感染のリスクを高めることは間違いないようです。

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