健康のためには「何を食べるか」が大切――これはよく知られています。しかし最近では、それと同じくらい「いつ食べるか」も重要なのではないかと考えられるようになっています。「時間栄養学(chrononutrition)」と呼ばれる研究分野です。2026年に発表された米国の研究では、40歳以上の成人約3万1,000人を対象に、食事をとる時間帯と死亡リスクとの関連が調べられました。
興味深いのは朝食の時間です。最初の食事を午前7〜8時にとる人を基準にすると、午前8〜10時では全死亡リスクが10%、午前10時〜正午では19%、正午以降では29%高いことが示されました。特に、最初の食事が正午以降になる人では、心疾患による死亡リスクが43%高いという結果でした。
夕食の時間にも特徴がみられました。最も死亡リスクが低かったのは、午後7〜8時ごろに最後の食事をとる人です。一方、深夜0時以降まで食事をする人では、全死亡リスクが27%、心疾患による死亡リスクが51%高いことが示されました。
さらに50歳以降の平均余命を推計したところ、朝7〜8時に食べ始める人に比べ、最初の食事が正午以降の人では約2.5年、最後の食事が深夜0時以降の人では約2.4年、平均余命が短いと推計されました。
なぜ食事の時間が健康に影響するのでしょうか。
私たちの身体には約24時間周期の「体内時計(サーカディアンリズム)」があります。睡眠だけでなく、ホルモン分泌、血糖調節、脂質代謝、細胞修復なども、このリズムに合わせて変化しています。朝食を抜いたり、深夜に食事をしたりする生活が続くと、体内時計と食事のタイミングにずれが生じる可能性があり、代謝や心血管系に負担をかけることが考えられています。
ただし、この研究は観察研究です。「朝7時に食べれば寿命が延びる」と証明したものではありません。睡眠や運動、仕事の時間帯、食事の内容など、ほかの生活習慣が影響している可能性もあります。また、示された「平均余命の差」も、個々の人の寿命を直接予測するものではなく、集団データに基づく推計値です。
それでも、健康長寿を考えるうえで大切なヒントがあります。朝食を極端に遅らせず、夕食も深夜まで引き延ばさないこと。食事内容を整えるだけでなく、毎日の食事時間をできるだけ規則正しくすることも、身体のリズムを守る一つの方法といえそうです。
なお、ブログとして掲載するのであれば、最後に**「何時に食べるかだけでなく、夜間の絶食時間や睡眠との関係も重要」**という一文を加えると、時間栄養学の記事としてさらにバランスがよくなります。

