コレステロール値、低すぎませんか?

コレステロールは、細胞膜、ステロイドホルモンやビタミンDの原料となり、脳神経細胞をつくる大切な栄養素です。コレステロールをむやみに下げることは、健康を維持する上ではとても危険なことです。

先日見えた患者様は、コレステロール降下剤を長年服用しており、総コレステロール値がわずか100 mg/dlしかありませんでした。至適濃度は200 mg/dlですので、なんと半分近くにまで低下していることになります。当然ながら、様々な身体の不調を訴えられていました。

米国ではLDLコレステロールの基準値は190 mg/dlです。日本の基準値は、米国よりも50低い140 mg/dlであり、この数値をこえる人は医薬品を勧められることになります。国によってなぜ基準値が異なるのでしょうか。この不可思議な現象についてはもっと議論がなされるべきです。

LDL、HDLはコレステロールを運ぶ運搬トラックの働きをしています。近年の研究では心臓血管疾患の真の原因は組織の炎症とされています。LDLが増加する理由は、傷んだ組織へ救助物質であるコレステロールを輸送するためであると考えても不自然ではありません。

LDLは肝臓から抹消の組織へ、HDLは抹消の組織から肝臓へコレステロールを運ぶ役割があります。このため全身の細胞がコレステロールを必要とする時にLDLが増え、必要でなくなった時にはHDLが増えると考えた方が理論的に無理がありません。 生活習慣が乱れてLDLが増えるということは、それだけ全身の組織が傷んでおり、修復のために抹消の組織がコレステロールを必要としていると考えるべきです。

医薬品によって無理にLDLを下げてしまうことはかえって身体の修復を遅らせてしまうリスクがあります。 キレーション治療によって全身状態が良好になるとLDLが減少しHDLが増加する現象がみられます。生活習慣の改善でも同じ傾向がみられます。少し古い情報ですが、日本経済新聞の記事には、コレステロールのことが上手にまとめられています。医薬品によりコレステロールを下げる前に、生活習慣の改善をすることをお勧めします。

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