マグネシウムと心臓病

充分なマグネシウムを摂取することは、心臓血管疾患による死亡率を下げることが知られています。最近の研究でも、心筋梗塞を起こした人について、日常生活のマグネシウム摂取量とその予後について調べた結果、十分なマグネシウムを摂取している人では、心筋梗塞後の死亡リスクが長期間にわたり下がることが確認されています。

この研究は、オランダのAlpha Omegaコホート研究データを解析したものです。心筋梗塞の既往歴を持つ4,365人の患者を対象に、203項目の食事頻度アンケートからマグネシウム摂取量を算出し、12.4年の追跡期間中に死亡した患者の情報を用いて、マグネシウム摂取と死亡との関係について調べています。

その結果、マグネシウムの摂取量が320 mg/日以上のグループは、対照群(摂取量が283 mg/日未満)に比べて、心血管疾患による死亡リスクは、28%、全死因リスクは22%低くなることが明らかにされました。特に、利尿剤を使用している患者では、心血管疾患死亡リスクの低下がより顕著であり、45%も低下することがわかりました。

今回の研究に参加した患者のマグネシウムの摂取量は、平均で302 mg/日であり、男性の28%、女性の33%が適切な摂取量を摂取していることが分かりました。一方マグネシウムを含むサプリメントを使用している人は全体の5.4%でした。

この研究結果から、心筋梗塞後の長期的な死亡リスク低下において、適切なマグネシウムの摂取が重要であると考えられます。利尿剤を使用している患者においては、特に顕著な効果が見られたため、これらの患者においては、マグネシウムの摂取をより積極的にする必要がありそうです。

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