ビタミンB12 欠乏の症状

ビタミンB12は、体内で産生することができません。このため食品から摂取することが必要です。毎日の摂取量は、3~4μgと、とても微量です。(1μgは1gの1/1000) 成人の場合、そのほとんどが肝臓や骨髄に貯蔵されており、食事から摂取できない状態が続いても、3~5年くらいはB12欠乏状態にはならないとされています。

しかし、高齢者やある種の医薬品を服用している方、厳格なベジタリアンの方では、長期にわたりビタミンB12摂取ができない状況が起きやすいために、欠乏症がおきることがあります。ではビタミンB12が欠乏するとどのような症状が起きるのでしょうか。下に述べます。

神経症状:神経痛、意欲の減退、運動機能の低下、視力の低下、認知機能低下、うつ様症状など
ビタミンB12には、神経繊維の周囲を取り囲んでいるミエリンという成分を作る働きがあります。ミエリンは神経の伝達機能を維持する上で重要な働きをしています。このためビタミンB12欠乏では、神経の機能が十分に維持できなくなります。その結果、痛みや運動機能障害、視力低下などが起こりやすくなります。

悪性貧血:ビタミンB12には赤血球を作るという大切な働きもあります。このためその欠乏が長く続くと貧血が起きてしまいます。この貧血が初めて観察された頃、その原因がわかりませんでしたので、不治の病として恐れられていました。悪性貧血という病名の由来もこうした歴史的背景があります。しかし、現在では原因も明らかとされており、治療として用いるビタミンB12製剤もありますので、「悪性」というほど恐れる病気ではありません。

ではどのような食品を摂ることで、ビタミンB12欠乏を避けることができるのでしょうか。続きは来週にお話しいたします。

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