美味しいものにAGEsあり

美味しそうなホットーケーキですが、食品科学の目でみると、糖化現象のサンプルとも言えるのがこの写真です。

糖化とは、糖質とタンパク質が結合する現象です。老化を起こす原因物質とも言われるものですが、日常生活の様々な食品に含まれています。この写真にあるホットケーキはその代表的なもので、ほんのり焼けた小麦粉、メープルシロップ、バター、いずれも糖化現象で生まれた最終産物であるAGEsと呼ばれる物質が、多く含まれています。

AGEsとは、Advanced Glycation End Products (終末糖化産物)の略語ですが、この物質が老化を促進する可能性があることから、わざわざこのように命名されたとも言われています。糖とタンパク質は自然に化合物を作る傾向があり、熱と乾燥という条件が加わると糖化物質を作る速度は早まります。

人体内でも糖化現象は起きており、糖尿病診断の指標であるヘモグロビンA1cは、糖化現象を起こしたヘモグロビンの割合を示しています。 食品中のAGEsは、その約7%程度が人体に吸収されると考えられています。

AGEsの厄介なところは、これを分解したり排泄したりすることが充分にできないため、体内に蓄積されてしまう傾向があることです。体内に入ったAGEsは細胞に働きかけ炎症を引き起こし、心臓血管やがんなど、様々な病気の原因を作り出すことがわかってきました。これらの疾患が、糖尿病患者さんに多い理由として、AGEsの働きがあることが考えられています。

体内のAGEsを増やさない方法には、大きく2つの方法があります。

第1は空腹時血糖値を100 mg/dl未満に維持すること。
第2はバーベキューやファーストフードなど、AGEsを多く含む食品を多く取らないことです。

清涼飲料水に含まれる果糖も、AGEsを急速に増やすことが知られていますので、注意が必要です。
また加熱調理温度によってもAGEsは増加しますので、焼くよりも煮炊きする調理方法を選ぶことが必要です。

「美味しい食べ物にはAGEsがある」ということで、年末の食事内容には気をつけましょう。

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