その結果は2013年にJAMAという一流の医学雑誌に掲載されました。キレーション治療には、心筋梗塞の再発予防効果があるという内容で、これは大方の予想に反したものでした。 多くの内科医師が結果に対して反論したということですが、この度の臨床試験は米国政府が主導して行った第1級の研究であったため、誰もその結果を否定することはできませんでした。
それだけでなく、第2期の臨床試験を開始すべきであるとの意見が噴出し、現在に至っています。その理由は、糖尿病患者に絞ってデータを解析したところ、5年間の死亡率が、キレーション治療を受けた群では、受けない群と比較して43%も減少していたからです。
死亡率が4割以上も減少することは、通常の治療では考えられない効果です。そのため、その真偽を再検証する目的でTACT2が始まります。TACT1の結果のサマリーはこちらからご覧いただけます。
米国の医療の優れている点は、現代の西洋医学だけでなく、伝統医療の優れたところを積極的に取り入れようとすることです。私自身がハーバード大学に研究留学していた1994年には、すでに統合医療についての研究室が大学内にありましたので、その懐の深さには驚かされます。
キレーション治療に関する第2期臨床試験(TSACT2)によって、なぜ糖尿病患者での治療効果が高いのかについて解明されることは、今後の医療の進歩にとって大きな意義のあることです。