近視を防ごう

「メガネをかけると近視が進む」昔から言われていることですが、何故そうなるのか医学的な説明はありませんでした。しかし近年の研究で、このメカニズムが解明されたようです。先日の抗加齢医学会で行われた、慶應大学眼科学教授の坪田一男先生のご講演によれば、紫色の波長の光を浴びることが近視の予防につながるということです。

近視は眼球全体の変形によって起こる病態ですが、紫色の光線にはこの変化を押しとどめる働きがあるようです。紫色の光線と言われてもピンとこないと思いますが、実は現代人にとって最も不足している可視光線です。可視光線はある範囲の波長からなりますが、紫色の光線はガラス窓やメガネのレンズで遮断されてしまうため、室内での生活や眼鏡をつけた状態では紫色の光線の恩恵を受けることができません。 すなわち一度眼鏡をかけ始めると紫色の光線による近視予防効果が減少してしまうために、さらに近視が進んでしまうという悪循環に陥ってしまうわけです。

紫色の光線を取り入れるためには、屋外に出て太陽光線を浴びることが必要になります。1980年以降、紫外線の弊害が強調されすぎたために、戸外で活動する機会が大幅に減っているようです。これが子供達に近視が増えてきている大きな理由の一つです。 近視は進行すると失明にもつながる厄介な病態です。

自然光を浴びる機会を積極的に作ることが、今日から誰でも始められる近視の予防策です。近々、紫色光線を補充する機器も販売されるようですので、近視をこれ以上進めたくないという方は、こうした近視予防機器の力を借りることをお勧めします。

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