ビタミンDで感染予防を!

気温も下がり、すっかり秋めいてきました。お彼岸をすぎると日照時間も徐々に短くなってきます。皮膚で作られるビタミンD濃度も少なくなってゆくのがこの季節です。COVID-19もほぼ3年ほど経過してようやく消退傾向にあります。しかしそれに伴い、今度はインフルエンザの流行の懸念が生まれています。メディアではインフルエンザワクチンを推奨していますが、このワクチンの有効率は50-60%とされています。基本は自身の免疫力をいかにして維持、増強するかということにあります。

ビタミンDにインフルエンザ予防効果があることは2006年にDr.Cannelらによって報告されています。その後2010年には、日本の浦島教授らの研究によって、小児のインフルエンザ予防にビタミンDが有効である可能性が明らかにされました。言うまでもなくCOVID-19感染予防についても、ビタミンDの有効性は数々の論文で指摘されています。

COVID-19とビタミンDとの関係についてみると、ビタミンDには感染予防効果だけでなく、COVID-19感染の重症化を防ぐ働きがあることや、感染後の治療目的としてビタミンD製剤を使用することも効果的であることが知られるようになってきました。こうしてみるとWith Coronaの時代には、ビタミンD血中濃度を適正値とされる、40~80 ng/mLのレベルに維持することは、感染予防対策として、欠かすことのできない条件であることが見えてきます。

現代人は自然環境の中で生活することを放棄して、一日中室内環境で過ごし、日照を避けるような生活を選択しました。この代償として、血中のビタミンD濃度は、本来あるべき適正値よりも大幅に下がってしまい、人によっては、ほとんどビタミンDが測定できないレベルにまで減少してしまっている人もいます。(下図参照)

ビタミンD血中濃度の違い。日本人のビタミンD濃度の平均値は、推奨値の半分程度しかない。
カナダでは、国がビタミンD補充を推奨していることもあり、平均値が日本よりも高くなっている。
日中戸外にいることの多い民族や職種ではビタミンD濃度が高いことがわかる。

フランス哲学者ルソーの弁ではありませんが、ビタミンDの血中濃度に関していうならば、今まさに「自然に帰る」必要があるのではないでしょうか。これから訪れるであろう感染症の波をビタミンD補充で無難に乗り切ることをお勧めします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次