卵と健康

卵を食べるべきか、避けるべきか。この20年余りの間に様々な意見が述べられてきましたが、こうした議論を終わりにするかもしれない論文が報告されました。結論は、「一日一個の卵であれば問題ない。」というものです。

この研究は、3つの大きな研究結果を解析したものですが、その結論は、卵を食べても血中コレステロール値はあがらないし、心臓血管疾患による死亡が増えることもない、というものでした。

これまでの研究では、卵の摂取量は1週間あたり3個までというように、かなり厳しいものでした。しかし今回の研究では、50カ国、約17万人を対象に調べた結果ですので、かなり説得力があるものと言えそうです。しかもこれらの対象者には、約3万人の心臓血管疾患患者が含まれます。

なぜ卵を食べると心臓血管に良くないという都市伝説のようなものが広がってしまったのでしょうか。始まりは、ウサギに卵を食べさせたところ動脈硬化が進んだというロシアの研究からとされています。その後、欧米諸国の疫学研究にて、卵の摂取量と心臓血管疾患の発症率が注目されるようになりました。

大規模研究になると卵の調理方法までは解析することができません。おそらくスクランブルエッグのような黄身の部分を加熱調理した卵料理と、半熟ゆで卵のように黄身の部分があまり加熱調理されていないものでは、長い期間で見ると、健康面に与える影響に違いがあるものと思われます。

いわゆるアメリカンと呼ばれる朝定食の卵料理には、脂と塩、さらにはベーコンなどが使われます。この辺りの影響も無視できないところかもしれません。和定食で出てくる半熟ゆで卵の方が、栄養学的には安全な内容です。

卵は、完全栄養食と呼ばれるように、アミノ酸や脂質など人間の健康維持のために欠かすことのできない栄養成分が豊富に含まれます。調理方法などを工夫しながら、日常の食生活で活用したいものです。

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