砂糖の弊害

Sweet memory という言葉があるように、甘味に対して人間は特別な感情を持っているようです。ストレスが溜まった時や運動後など、甘いものが食べたくなる感覚は多くの人が経験していると思います。従って、ストレスの多い現代社会では砂糖を中心とした甘味食品の需要が高くなっています。

しかし、砂糖の取り過ぎは、糖尿病、心臓血管疾患など、様々な疾患の原因になることも事実です。スウェーデンの研究者らの報告によれば、砂糖摂取が増えれば増えるほど、ビタミンやミネラルなど、健康を維持する上で欠かすことのできない栄養素の摂取量が減少するということです。

この研究では、約14,000名の対象に対して聞き取り調査を行い、日常生活での砂糖摂取量と栄養素の摂取量との関係について調べています。栄養素としては、次にあげる9種類について検討しています。カルシウム、葉酸、鉄、マグネシウム、カリウム、セレニウム、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛。 砂糖摂取量の総摂取カロリー(E)に占める割合によって対象を6群に分けて(< 5%E, 5–7.5%E, 7.5–10%E, 10–15%E, 15–20%E, and >  20%E)、9種類の栄養素の摂取量との関係について調べたところ、砂糖摂取量が増えるに従って、9種類全ての栄養素の摂取量が減少する傾向が見られました。

最も砂糖を多く摂取していた群では、摂取総カロリーの20%以上の量の砂糖を食べていましたので、摂取総カロリーを2000 kcal/dayと仮定すると、100g以上の砂糖を食べていたことになります。市販の清涼飲料水500mlには約50g、スポーツドリンクでも500mlあたり約30g前後の砂糖が含まれますので、甘味飲料が好きな方では、100gの砂糖摂取は簡単に取れてしまう量かもしれません。

本研究のデータから推測すると、健康維持には、1日に20~30g程度の砂糖摂取にした方が良さそうです。

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