筋肉・脂肪と流動的知性

流動的知性(Fluid Intelligence)という言葉をご存知でしょうか。

心理学の分野では、人間の知性は、結晶的知性(crystallized intelligence)と流動的知性とに分類されると言われています。 前者は知識の多い少ない、後者は思考能力の柔軟性としてその評価ができます。

知識は加齢に伴い積み重ねることができますが、思考能力の柔軟性は加齢にともない低下する傾向にあることは、日常生活をふりかえってみると、なんとなく理解できるところです。 思考の柔軟性が、年齢だけでなく、体の筋肉量や脂肪量とリンクしている可能性が、最新の研究で明らからにされました。

この研究では約4000名の中高年者(平均年齢64.5歳)を対象に、流動的知性の検査や血液検査、身体測定を2年毎に3回行い、それぞれの変化を調べています。 その結果、筋肉量が多いほど、流動的知性の低下を防いでいることが、男女を問わず見られました。

反対に、皮下脂肪や内臓脂肪が増加すると、流動的知性は男女ともに低下する傾向がありました。 本研究は、筋肉量や脂肪量と流動的知性との関係を初めて明らかにしたものです。

筋肉量を維持し、脂肪の蓄積を防ぐことが、柔軟な判断力や思考力を保つためには、必須の要素であると言えそうです。年末年始は、食べ過ぎ飲み過ぎで脂肪が増えやすい時期です。くれぐれもご用心されてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次