魚で健康長寿

元気で長生き。どのようにすればそれを達成できるのか、そのための方法を求めて、現代医学は探求を続けています。本日ご紹介する論文もその一つの研究成果です。

この研究では、年齢が65歳以上の男女、2622名(平均年齢74歳)を対象に、1992年から2015年までの23年間にわたり、健康長寿(Healthy Aging)と血液中のオメガ3脂肪酸濃度との関係について調べています。研究期間中、1992-93、1998-99、2005-06年に採血を行い、オメガ3脂肪酸としてEPA,DPA,DHA,αリノレン酸(ALA)濃度を測定しています。

健康長寿の定義は、心臓血管疾患、がん、呼吸器疾患、腎臓病などの慢性疾患や認知症などがない状態としています。その結果、オメガ3脂肪酸濃度が高いグループの対象者は、最も低いグループの対象者と比較して、何らかの疾病に罹患するリスクが18%も低いことがわかりました。すなわち、オメガ3脂肪酸の摂取量が多いほど健康長寿である傾向が強く見られたということです。

さらに詳しく調べてみると、オメガ3脂肪酸の中でもEPAとDPAには健康長寿効果が見られましたが、DHAとALAにはその傾向が見られませんでした。専門的な話になりますが、オメガ3脂肪酸代謝では、ALA→EPA⇄DPA⇄DHAという変化が体内で起きています。このうちALAは魚脂ではなく、アマニ油などの植物から由来するものです。

どうやら健康長寿ためには、魚を食べることが理にかなっているようです。 血液中の脂肪酸濃度は、栄養療法を行なっている医療機関で調べてもらうことが可能です。血液データから、現在の自分の生活習慣が、健康長寿の方向へ向かっているか否かの判断をすることはとても重要です。

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