オリーブオイルの本当の話

オリーブオイルの特徴は、1価不飽和脂肪酸のオレイン酸が約80%近く含まれていることです。これまではこのオレイン酸の働きによって健康増進効果が得られると言われてきましたが、どうやらこの仮説は誤りであったようです。

オレイン酸は人間の脂肪組織にも60%ほど含まれているように、特別な脂肪酸ではありません。すなわちオレイン酸をとらなくても人間にとっては大きな問題ではありません。ではなぜオリーブオイルは健康によい植物油と言われているのでしょうか? その秘密は、オリーブオイルに含まれているポリフェノールにあるようです。

最新の研究では、エクストラヴァージンオリーブオイル摂取により、全死亡率が23%低下、心臓疾患は28%低下、脳梗塞は40%低下という結果が出ています。一方オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸の摂取ではこれらの効用は全く認められませんでした。(Lipids Health Dis. 2014;13:154) この結果、オリーブオイルの効用は、オレイン酸ではなく、ポリフェノールによるものであると結論づけられています。

ポリフェノールとは、ほとんどの植物に含まれる有機化合物です。抗酸化作用、抗菌作用など人体にとって有益な働きを持つものが数多くあります。その種類は5000種以上と言われ、赤ワインに含まれるレスベラトロールや緑茶に含まれるエピガロカテキンも代表的なポリフェノールです。エクストラヴァージンオリーブオイルのように良質なオリーブオイルは、緑色をしており口に含むと独特の苦みや辛味があります。この色や味はオリーブオイルに含まれるポリフェノールが作り出しています。

ラベルを見ただけでは本物のエクストラバージンオリーブオイルか否かを判断することは容易ではありません。このため安心して使える製品を選ぶためには、製造工程まで公表しているメーカーのものを選ぶことが基本です。オリーブオイルはオリーブ生ジュースのようなものですので、開封後は冷暗所に保存し出来る限り早めに使い切ることも重要です。

オリーブオイル、なかでもエクストラヴァージンオリーブオイルのもつ健康増進作用は明らかです。ポリフェノールがその働きの主たるものであることもわかってきました。食事で利用するときにはなるべく加熱調理しない方法を選ぶことが望ましいようです。適切な製品を選び健康増進にお役立てください。

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