食品保存料と健康リスク

がん・糖尿病との「関連」をどう考えるか

私たちが日常的に口にしている加工食品。保存性や味を保つために使われる「食品保存料」について、近年、健康との関連を示唆する研究報告が相次いでいます。2026年に報じられたフランスの大規模研究では、特定の保存料の摂取量が多い人ほど、がんや2型糖尿病の発症リスクがやや高い傾向にあることが示されました。

この研究は、10万人以上の成人を長期間追跡し、食事内容と健康状態を詳しく分析したものです。注目されたのは、保存機能をもつ食品添加物(亜硝酸塩・硝酸塩など)です。これらはハムやソーセージなどの加工肉に広く使われていますが、摂取量が多いグループでは、前立腺がんや乳がんなどとの関連がみられました。また、別の保存料では2型糖尿病リスクとの関連も報告されています。

ただし、ここで重要なのは「関連が示された」という点です。これらの研究は観察研究であり、「保存料を摂ると必ず病気になる」ことを証明するものではありません。生活習慣や食事全体の質など、他の要因が影響している可能性もあります。研究者自身も、結果の解釈には慎重であるべきだと述べています。

では、私たちはどう行動すればよいのでしょうか。専門家の多くは、「極端に怖がる必要はないが、曝露を減らす努力は合理的」と指摘します。具体的には、加工食品に偏らず、できるだけ新鮮な食材を選ぶこと、食品表示を確認し、保存料の多い食品を日常的に大量摂取しないことが勧められます。

健康は単一の成分で決まるものではありません。食事全体のバランス、運動、睡眠、ストレス管理といった積み重ねが重要です。今回の研究は、私たちに「何をどれくらい食べているか」を見直す良いきっかけを与えてくれていると言えるでしょう。

Anaïs Hasenböhler et al, Intake of food additive preservatives and incidence of cancer: results from the NutriNet-Santé prospective cohort, BMJ (2026). DOI: 10.1136/bmj-2025-084917

Anaïs Hasenböhler et al, Associations between preservative food additives and type 2 diabetes incidence in the NutriNet-Santé prospective cohort, Nature Communications (2026). DOI: 10.1038/s41467-025-67360-w

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