体調を崩しやすい季節になると、「免疫力を上げたい」と思う方は多いでしょう。そんな中で近年、医療の現場からも注目を集めている成分があります。それが AHCC (Active Hexose Correlated Coumpound ) です。11月16日のキレーション治療セミナーでも、伊藤壽記先生から、AHCCの作用機序についてのお話がありました。
AHCC は日本で開発され、シイタケの菌糸体を特殊な方法で培養してつくられた成分です。特に「部分的にアセチル化されたα-グルカン」という成分が多く含まれていることが特徴で、これが免疫機能に良い働きをすると考えられています。
AHCCの期待される3つの働き
1)免疫バランスを整える
身体をウイルスや細菌から守る「ナチュラルキラー(NK)細胞」や「T細胞」の働きをサポートする研究報告があります。季節の変わり目でも体調を維持しやすくなる可能性があります。
2)肝臓を守る働き
最新研究では、肝臓の線維化(肝硬変へ進む変化)を抑える可能性が示されました。将来的に、脂肪肝など生活習慣病の予防にも応用が期待されています。
3)ウイルス対策の補助に
ウイルス感染症、特に HPV(ヒトパピローマウイルス)に関する臨床研究が進んでおり、免疫をサポートする素材として注目が高まっています。ただし、治療薬の代わりになるわけではなく、あくまで補助的な役割という位置づけです。(後述の参考文献)
安全性と注意点について
サプリメントとしては比較的安全とされていますが、がん治療薬などを使用している方では薬の働きに影響する可能性が指摘されています。持病や薬を服用している方は、自己判断で始める前に医師へ相談しましょう。
AHCCは誰に向いている?
- 風邪を引きやすい方
- ストレスが多い生活をしている方
- 体力低下を感じる中高年
- 肝臓の健康が気になる方
免疫は幅広い健康と関係しています。日常のちょっとした不調が気になる時、身体の内側から支えてくれる素材として注目する価値がありそうです。
健康づくりは土台が大切
サプリメントは「健康の土台づくり」を助けるもの。基本は、バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動です。そのうえで、補助として AHCC を上手に活用できれば、日々の健康維持に心強い味方になるかもしれません。
まとめ
- AHCC は日本発の免疫サポート成分
- 免疫老化にアプローチし、NK細胞やT細胞を支える
- 肝臓の健康維持にも期待
- ウイルス対策の補助として研究中
- 治療の代替ではないので正しい活用を
免疫は「健康寿命」を左右する重要な基盤です。生活習慣の改善とともに、こうした頼もしい味方を上手に活用し、年齢に負けない身体づくりを心がけましょう。
Smith JA, Gaikwad AA, Mathew L, Rech B, Faro JP, Lucci JA 3rd, Bai Y, Olsen RJ, Byrd TT. AHCC®Supplementation to Support Immune Function to Clear Persistent Human Papillomavirus Infections. Front Oncol. 2022 Jun 22;12:881902. doi: 10.3389/fonc.2022.881902. PMID: 35814366; PMCID: PMC9256908.









