果物と野菜が心の健康を守る

双子研究で明らかになった「食事とうつ病リスク」の関係

最新の研究では、果物や野菜をしっかり食べることが、心の健康に良い影響を与える可能性を指摘しています。この研究は、45歳から90歳の双子3,483人を対象に行われた大規模な研究で、5〜11年間にわたり、食事内容とうつ病の発症との関係を追跡したものです。その結果、果物や野菜の摂取量が多い人は、うつ病のリスクが低いことがわかりました。

研究結果によれば、果物や野菜の摂取量が少ない人(1日半サービング以下の量)に比べて、1日2サービング程度食べる人は、うつ病になる確率が適度に低くなる傾向が見られました。ちなみに、1サービングは小さな果物1個や生野菜1カップほどに相当します。これでも、世界的に推奨されている「1日5サービング以上」には届きませんが、それでも心の健康に良い影響が期待できるというのは驚きです。

なぜ果物や野菜が心の健康に役立つのでしょうか?
研究者たちは「食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、果物や野菜に含まれる栄養素が脳や神経に良い働きをしている」と指摘しています。また近年、腸内環境が私たちの心の状態に深く関わっていることが分かってきました。腸内細菌が全身や脳の炎症を抑えることで、うつ病の発症を防ぐ可能性があるのです。いわゆる“腸脳相関(gut-brain axis)”が注目されている理由もここにあります。

さらに、過去の大規模なデータの解析(メタ解析)でも、果物を多く食べる人はうつ病の発症リスクが15%低く、野菜を多く食べる人は9%低いことが報告されています。日々の小さな食習慣が、長期的に心の健康に大きく影響していることがわかります。

気分の浮き沈みが気になる方や、ストレスを感じやすい方は、「心のために食べる」ことを意識してみてはいかがでしょうか。たとえば、
・朝食に果物を1つプラスする
・ 夕食の副菜として色とりどりの野菜を追加する
・おやつにスナック菓子ではなくミニトマトやフルーツを選ぶ
といった小さな工夫から始めるだけでも効果が期待できます。

心と体はつながっています。毎日の食事でできる心のセルフケア、ぜひ今日から始めましょう。

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