ビタミンDと認知症

血中ビタミンD濃度と認知症との関係について、新たな研究報告が発表されました。この研究は、年齢層55~69歳の約27万人を対象とした、UK Biobankと呼ばれるデータベースを調査しています。血中ビタミンD濃度が12 ng/mL未満を「欠乏状態」、12~20 ng/mLの範囲にあるものを「不足状態」と定義して、全原因認知症(TD)、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症(VD)の3つの病態との因果関係について調べています。

調査の結果、対象者の18.3%がビタミンD欠乏状態であり、34%が不足状態にあることがわかりました。欠乏状態にある者は、ビタミンD製剤の使用者で6.9%、マルチビタミン製剤の使用者で9.5%に認められましたが、サプリメント非使用者で見られた割合21.5%よりも少なかったということです。

ビタミンD欠乏状態にある者では、TDが25%、ADが19%、VDが24%上昇していることが認められました。さらにビタミンD不足状態にある者では、TDが11%、ADが10%、VDが15%上昇していました。一方、サプリメントとしてビタミンDやMVMを服用している者では、ADが17%、VDが14%、発症率が低下していることがわかりました。

当院の外来データでは、血中ビタミンD濃度が20 ng/mL以下の方は、全体の40%に上ります。本研究によれば、これらの患者様は認知症になるリスクが増えることになります。反対にサプリメントを服用している人では、認知症リスクが低下していることが認められたことは注目に値します。

認知症は、10〜20年をかけて徐々に進行する病変です。症状に気づく前から、サプリメント摂取などの方法で、積極的に予防することが大切であることは言うまでもありません。現在のビタミンD血中濃度がどのくらいであるかを知っておくことも認知症予防のためには重要です。

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