5-ALAで男性更年期対策

5-ALA(アミノレブリン酸)は、人体で作られるアミノ酸の一種です。アミノ酸と言ってもタンパク質を作る性質は持たず、細胞内で代謝されてヘモグロビンなどの原料となるヘムとなります。このヘムには、細胞のエネルギー源となるATP産生など重要な働きがあり、5-ALAを増やすことは細胞のエネルギーを増やすことにつながります。

大量に生産する発酵技術が確立されたこともあり、5-ALAを栄養サプリメントとして利用する動きが10年ほど前から始まっています。当初は血糖値を下げる働きが中心でしたが、徐々に様々な効能があることが注目されて来ており、最新の研究では男性更年期対策として、5-ALAの効果が認められています。

この研究では、LOH症候群として知られている男性更年期患者32名について、5-ALAを服用した群としない群に分けてその効果について検討しています。5-ALA服用群では、1日あたり 30 mg の5-ALAを8週間に渡り服用しています。その結果、男性更年期の症状の程度を示すAMS スコアーが、5-ALA服用群では有意に減少、すなわち症状の改善が見られたことがわかりました。

5-ALAの医学応用は50年ほど前から注目されていましたが、極めて高額な物質であったこともあり、一般的な臨床研究が進んでいませんでした。しかし日本人によって大量生産技術が開発され、広く利用されるようになっています。もともと人体の細胞が作り出す成分であり、大量に摂取しても顕著な副作用は見られない、安全な物質です。

昨年初頭には、5-ALAを添加すると、新型コロナウィルスの増殖をほぼ100%抑制できることが、長崎大学の基礎研究によって明らかにされました。この成果を踏まえて、COVID-19対策としても期待されましたが、人を対象とした臨床研究では、明確な効果は確認されなかったようです。

様々な臨床効果が期待できる5-ALAの今後の研究成果に期待したいところです。

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