本日現在、COVID-19による人口比当たりの死亡者数と感染者数は、G7の中で日本がトップです。ワクチン接種率が最も高い国で、しかもマスク着用率も高い国なのになぜこうなるのか。冷静に考えるべきタイミングが来ているように思います。本日の話題は、男性ホルモンレベルが低い人ではCOVID-19 に罹患しやすいという米国からの報告です。
対象はCOVID-19感染した男性、723名。平均年齢は55歳です。このうち427名(59%)の男性ホルモンレベルは正常範囲でしたが、116名(16%)は男性ホルモンレベルが低い状態でした。また180名(25%)は男性ホルモン補充療法を受けていました。これらの対象についてCOVID-19の病態変化を調べています。
その結果、男性ホルモンが低値の患者は、正常範囲にある患者と比較して、2.4倍という高い確率で、重症化し入院していたことがわかりました。一方男性ホルモン補充療法を受けていた患者が入院したりいスクは、男性ホルモンレベルが正常であった患者と比較して1.3倍ほどで統計学的に有意な差は見られませんでした。
これらの結果から、著者らは男性ホルモンレベルが低い患者がCOVID-19感染を経験すると、重症化しやすく入院に至るケースが増えてしまう可能性が高いと結論づけています。さらに男性ホルモン補充療法を受けている患者では、入院リスクはさほど上昇しないと考えています。
50歳以上の男性の3〜4割が男性ホルモン低下症にあるという説もあります。本研究の対象でも、約4割に男性ホルモン低下が見られています。COVID-19感染の重症化を防ぐためにも、男性ホルモンレベルの確認をすることが必要であり、万が一、男性ホルモンレベルの低下があれば、ホルモン補充療法を検討すべきと考えます。