抗生物質と大腸癌リスク

抗生物質の服用は、大腸がんのリスクを増やすことが、最新の研究で明らかにされました。抗生物質は腸内細菌叢のバランスを変化させてしまいます、これが大腸がんの発症を促す原因のようです。

この研究は、1999~2011年までの12年間にわたって行われました。対象は7903名の大腸がん患者について調べています。50歳未満の発症を若年発症群(445名)、50歳以上での大腸がんの発症を高齢発症群(7458名)としています。30,418名の対照患者を選定し、抗生物質服用と大腸がん発症との関係について調べています。

その結果、抗生物質を服用していた場合の大腸がん発症リスクは、若年発症群では,対照群と比較して1.49倍に上昇、高齢発症群でも1.09倍に高くなっていました。一方直腸がんについては、抗生物質服用による有意な発症リスク上昇は見られませんでした。

抗生物質の安易な服用は、腸内細菌叢のバランスを崩すだけでなく、真菌類など最近以外の微生物の繁殖を促進させてしまう危険性があります。本研究でも抗生物質の服用が大腸がん発症リスクを高めていることが明らかにされています。中でも50歳未満の比較的若い年齢層の大腸がんリスクを増やしてしまうことは注目に値します。

どうしても抗生物質を服用しなくてはいけない状況になった場合には、腸内環境をできるだけ健康な状態に保つ目的で、発酵食品や乳酸菌製剤などの整腸剤を服用することが得策と言えそうです。

McDowell R, Perrott S,et al. Br J Cancer. 2021 Dec 17.
Oral antibiotic use and early-onset colorectal cancer:
findings from a case-control study using a national clinical database.
doi: 10.1038/s41416-021-01665-7.

目次
閉じる