ケルセチンの効用

ケルセチン(Quercetin)は新型コロナウィルスを予防するために日頃から摂取したい栄養素として注目を浴びています。米国の救急医らが中心となってCOVID-19感染予防のための情報を発信しているサイトがあります。このサイトでは、予防対策の栄養素として、以下のものをリストアップしています。

  • ビタミンD3  1000~3000 IU/day
  • ビタミンC 500~1,000 mg 2 x day
  • 亜鉛      30~40 mg/day
  • ケルセチン   250 mg/day

ビタミンD、ビタミンC、亜鉛については、こちらのブログでも度々お伝えしていましたが、ケルセチンの情報がまだでしたので、本日のテーマにいたします。先週のブログでは、蕎麦に含まれるルチンのお話をしましたが、ルチンはケルセチンの化合物であり、ケルセチンそのものにも、強い抗炎症、抗酸化作用などがあることが知られています。

ケルセチンは、フラボノールと呼ばれる植物由来の抗酸化物質のグループの一つに分類されます。その特性として、抗炎症、抗酸化作用により、血小板の凝集や血管内膜の炎症を抑制する働きがあることが古くから知られています。玉ねぎの皮をお茶にして飲むことで、血液サラサラなどという健康ブームがありましたが、ケルセチンは玉ねぎの皮に多く含まれますので、昔の人は経験的にケルセチンの働きを知っていたようです。

1990年代の研究ですが、ケルセチンを定期的に摂取することは心臓血管疾患の予防になることが報告されています。また1日あたり730mgのケルセチンを服用することによって収縮期血圧を下げる働きがあるという報告もあります。一方、ケルセチンの持つ強い抗酸化作用には、発がん抑制や担がん状態のマウスの寿命を延ばす働きがあることも知られています。

日本人のケルセチン摂取量の平均値は、文献上約16mg/dayと言われ諸外国の中では比較的多い方です。しかし、地中海料理を頻回に食べているスペイン人のケルセチン摂取量は18 mg/dayですから、野菜や果物類の摂取量の違いがこの差を生んでいると思われます。ケルセチンを多く含む食品リストを下に添付しますので、これを参考に積極的にケルセチンを取ることで感染対策を行ってください。

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