朝日を浴びよう!

「朝日を浴びることは健康の礎」「早寝親起きは三文の徳」「日の出を拝めば寿命がのびる」などなど、昔の人は良いことを言っていたものです。早朝から活動を開始することのメリットだけでなく、太陽光線を浴びることの健康に対する影響は計り知れないものがあります。

中でも重要なものは、太陽光線を浴びることで、ビタミンDをつくることができることです。ビタミンDの効果は、骨を強くするだけでなく、免疫力の調整、発ガン予防、認知症予防、動脈硬化予防、糖尿病予防など、あげればきりがないほどです。

5月から7月にかけては、一年間の間でもっとも紫外線量が多くなる季節です。一般的には、半袖半ズボンで昼間の太陽を20〜30分ほど浴びることで、約 2000 IUのビタミンDを補充することができるとされています。しかし、年齢、体型、肝臓の機能などによって、同じ時間紫外線を浴びてもビタミンDの血中濃度は人によって大きく異なります。

このため、一度は血液中のビタミンD濃度がどの程度であるのかを医療機関で調べてもらうことが大切です。室内で過ごす時間の多い現代人は、本人が考えている以上にビタミンD不足になっている場合が多いです。先日外来に見えた患者様の血液中ビタミンD濃度は測定不能レベル、すなわちほとんど無いという状態でした。

早朝に光を浴びることは、夜の睡眠をサポートする大事な行動です。これは起床後、明るい光刺激があると、それからほぼ16時間後にメラトニンという睡眠を誘導するホルモンの分泌を開始するように体内時計がセットされるためです。例えば、朝6時に起床して散歩をすると、6+16=22時 、すなわち夜の10時ごろにはメラトニンの分泌が始まり、良質な睡眠をとることができるという仕組みです。こうしてみると、早寝早起きというよりも、早起き早寝といったほうが医学的には正解かもしれません。

日光に当たると皮膚ガンになることを恐れている方も多いと思いますが、適度な日光浴であれば発がんの心配をする必要はありません。健康管理のために、積極的に日光浴をしたいものです。

月別に見る紫外線量の変化
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次