湿度とCOVID-19

過去の研究では、SARS-CoVおよびMERS-CoV症例の発生と気候との関係が認められており、これらの感染症では、湿度が低いほど感染リスクが高くなる傾向がみられていました。しかしCOVID-19について、こうした研究は行われていませんでしたので、COVID-19の発症率と気温や天候との関係については、さまざまな意見があり定説がありませんでした。

本研究は、COVID-19と天候、気温、湿度との関係を調べる目的で、オーストラリアのニューサウスウェールズ州で行われたものです。749例のCOVID-19患者と、毎日の降水量、気温と相対湿度(午前9時、午後3時)との関係を調査しました。
(相対湿度とは、天気予報などで使われている%で表示される湿度の指標)

その結果、午前9時の相対湿度が低い(降雨や気温ではない)と、COVID-19患者の発生が増加し、
相対湿度が1%低下すると、COVID-19症例が6.11%増加すると予測されました。

相対湿度が低い場合、すなわち乾燥している天候では、COVID-19の症例数が増加しやすいことが明らかにされました。
乾燥した状態では、患者から放出されるウィルスを含んだ飛沫の大きさが小さくなりやすいために、
より遠くまで飛散する確率が高くなるためと考えられます。反対に湿潤な環境ではウィルスの飛散が抑制される可能性を示唆しています。

インフルエンザでも同様のことが確認されていますので、COVID-19対策としても、加湿することは感染拡大を防ぐ効果があると考えられます。

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