ストレッチで免疫力アップ

米国では1990年代から統合医療への関心が高まり、2000年に入ると様々な大学に統合医療を研究するための機関が併設されるようになりました。中でも著名な研究機関にハーバード大学関連のOscher Center for Integrative Medicineがあります。

つい先日この研究機関から興味深い研究報告が発表されました。それはストレッチをすると免疫力が増強し、がんの大きさが約半分以下になったという動物実験の結果です。 運動療法により免疫力が増強することはこれまでも数多く報告されていますが、がんの治療として運動療法を試みた実験ではその効果については結論が出ていませんでした。

がん患者の場合には激しい運動をすることは、もちろん困難になります。むしろ、ヨガや太極拳のようなゆっくりとした動きによるストレッチ効果のある運動の方がより適していると考えられます。

そこで著者らは、乳がんモデルのマウスを用いて、毎日10分間のストレッチを行い、がんの大きさの変化を観察しました。その結果、がん細胞の大きさ(体積)が、ストレッチをしないマウスと比較して半分以下に減少したという驚くべき結果を目にしました。

にわかには信じられない内容ですが、薬に頼らない免疫力増強の一つの手段として、ストレッチを考えても良いのかもしれません。

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