ホモシスティン値を調べよう!

ホモシスティン(Homocysteine)という血液検査項目をご存知でしょうか?

健康維持のためには、欠かすことのできない検査項目です。ホモシスティンが高値であると動脈硬化、認知症、骨粗鬆などのリスクが増えるといわれています。日本人を対象にした研究でも、ホモシスティン値が上昇すると冠状動脈の狭窄が起こりやすくなることが報告されています。

当院でも次のようなケースがありました。健康志向の強い50代の男性ですが、職場で突然の心筋梗塞に襲われました。救急処置により幸い一命を救われましたが、なぜ自分が心筋梗塞をおこしたのか全くわからないということで当院を受診されています。 東京マラソンも走ることができるアスリートを襲った心筋梗塞。通常の健康診断ではまったく問題がないと言われていましたが、アンチエイジングドックの必須項目であるホモシスティンを調べたところ、その値は平均値のほぼ倍の24 (nmol/ml)と異常に高いものでした。

おそらくホモシスティンが高値であったことが心筋梗塞の原因の一つであったと考えられます。その後、ホモシスティン値を下げる栄養サプリメントを摂取し、心臓疾患の再発は起きていません。マラソン大会にも参加されているようです。

ホモシスティンは、悪玉アミノ酸とも呼ばれるようにアミノ酸代謝産物の一つです。ビタミンB6,B12,葉酸という栄養素が不足すると血液中のホモシスティン値は上昇します。また肉類(魚、動物共に)の過剰摂取は、ホモシスティンの原料であるメチオニンを増やすことでホモシスティン値を上昇させます。

一方、ホモシスティンが上昇しやすい体質を持っている人が、日本人では5人に1人という比較的高い割合で存在するとも言われています。 ホモシスティン値を下げることはさほど難しいことではありません。ビタミンB6,B12,葉酸というホモシスティン値を下げる栄養素を十分に補給することで可能です。海外にはホモシスティン値を下げる目的に特化したサプリメント製品も販売されています。

自分のホモシスティン値が適正値か否か、想定外の病気に遭遇しないためにも、専門医に調べてもらうことをお勧めします。

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