抗加齢ドックとは

自分では健康のつもりでも、客観的にはそうともいえないのが人間の身体です。前職であった救急医時代は、救急救命センターと呼ばれる最重症の急患が運ばれてくる施設で働いていましたが、急患として運ばれてきた患者様の多くが、健康過信または病院嫌いであり健康チェックをほとんど受けていない方々であったことを覚えています。

一般的な人間ドックは病気の有無を調べることが主眼であり、異常値が見つかった場合には医薬品による治療が始まることになります。一方、アンチエイジングドックの検査内容の目的は、元気に長生きをするために必要な情報を集めることにあります。

その内容は、一般的な人間ドックの検査項目に加えて、体組成(筋肉と脂肪の分布)、骨密度、血管年齢のほか、血液中のビタミン、脂肪酸、ホルモンの過不足等、そして毛髪分析などを合わせて調べることが特徴です。 これらの項目は健康を維持する上で欠かすことのできない情報す。万が一不足がみつかれば、すぐに医薬品に頼るのではなく、食事内容や栄養サプリメントによって栄養状態を補正することで、身体機能を最善のコンディションに保つことができます。その結果として、病気になりにくい体質が維持され元気に長生きをすることができます。

よりよい健康状態を維持するための、積極的な予防医療がが抗加齢医療です。 一般の人間ドックでは完璧といわれた方でも、アンチエイジングドックでは異常が見つかる傾向があります。なかでも重要な検査項目に、性ホルモンレベルがあります。年齢と共に減少するのが性ホルモンですが、異常に下がりすぎることは身体の不調の原因となります。現代医療では安全な方法でホルモンレベルをサポートすることが可能であり、日常生活の質を維持することができます。

毛髪分析からは健康を害する有害金属の有無や、必要なミネラルが充分に摂取できているか否かを知ることができます。海産物を多く食する日本人は、欧米人と比較して5倍以上の水銀が毛髪から検出されます。小魚を食べる大型魚の脂肪には水銀などの汚染物質が高濃度で含まれているためです。消化吸収に問題があれば、食事の内容に関係なく毛髪中の必要ミネラルの分布が乏しい状態となります。

動脈硬化度検査からは、血管年齢を知ることができます。年齢以上に動脈硬化が進行している場合には、心筋梗塞や脳血管障害を起こすリスクが高まりますので、これらを回避するための治療が必要となります。運動量や摂取カロリーの指標となる筋肉や脂肪の分布は体組成検査で確認できます。

骨密度測定により、加齢によって起きる骨粗鬆症を未然に防ぐことも可能です。 このように客観的に身体の状態を把握することで、適切な軌道修正を行い健康管理を行うのが抗加齢医療の特徴です。

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