ブルーライトの功罪

朝起きてすぐに青空を見ると実に気持ちのよいものです。 これは青空(ブルーライト)を見ることによって、我々の脳が覚醒するために起きる現象です。 ブルーライトには脳を覚醒させる働きがあります。日中に脳がしっかりと覚醒すると、日没後には睡眠ホルモンであるメラトニンが十分に分泌されることも知られています。この意味でブルーライトは元気な毎日を送るためには欠かすことのできない貴重な働きをしています。

しかし一方では我々の睡眠を妨害する厄介な存在でもあるようです。就寝前にブルーライトを浴びていると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が3割近くも抑制されてしまうことが報告されています。さらにレプチンという満腹感を起こすホルモンも低下してしまうため空腹感が持続し、深夜に食事をすることによって肥満が進行するということもわかってきました。日中のブルーライトには健康増進作用がありますが、日没後のブルーライトには健康を損なう働きがあるようです。

人間の身体はサーカディアンリズム(概日リズム)によってコントロールされています。その平均値は24時間15分とされていますが、宵っ張りの方ではこの時間が延びていることが知られています。ブルーライトを浴び続けているとより一層この時間が延長してしまうようです。一方早寝早起きの方では概日リズムが24時間よりも短くなる傾向があります。

消費電力を節約する目的で多く使われている蛍光灯やLEDからは、白熱電球よりも多くのブルーライトが放出されています。テレビやパソコン、スマホ画面からも大量のブルーライトが出ています。就寝する2時間前にはこれらのブルーライトをできるだけ浴びないようにする工夫が必要です。また就寝中に安全目的で終夜灯を使う方も多いと思いますが、終夜灯の明るさであっても睡眠を障害することが報告されています。睡眠時はできるだけ暗くする工夫が必要です。

仕事や夜勤業務でブルーライトをさけることが難しい場合には、ブルーライト除去の眼鏡など自己防衛をすることをおすすめします。日中はたっぷりのブルーライトを浴びて、日没後はできるだけ暗い環境に身を置くことが、良質な睡眠を保ち健康な毎日を送るために欠かすことのできない生活習慣です。

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